2015年7月12日(日)に5月にインドネシアのチャイルドを訪問された会員さんからの報告会を開催しました。
スライドや動画を使った報告は大変わかりやすく、大好評でした。
報告の内容を、ダイジェスト版にまとめてくださいましたので、是非ご覧ください。
チャイルド訪問してみたいと思っている方や、チャイルド訪問ってどんなかんじなの?と興味がある方、プラン・ジャパンの支援者の方は大変参考になると思います。

訪問日 2015 年 5 月 6 日
訪問地 インドネシア シッカ
2009 年に引き続き 2 度目の訪問でした。前回訪れた時にはまだプロジェクトは始まっておらず現状調査をしているような状態でしたので、今回、どのようにプロジェクトが進められているのか、またチャイルドの成長ぶりも見たくて訪問しました。
以下、訪問前のリクエストと訪問スケジュールです。

出発前、PLAN 事務局にはいろいろなリクエストを出しました。チャイルド訪問は 2 度目であり、道路状況も良くアクセスが容易だということも把握していましたので時間配分を考えるのも楽しみのひとつでした。
事務局を通して PLAN 現地事務所からスケジュールが送られてきました。リクエストをほぼ叶えて頂き充実した訪問になりそうで、出発よりずいぶん前からわくわくしていたのを覚えています。
宿泊したホテルに時間通りにお迎えがきました。コーディネーターとドライバーは前回と同じ人たちでした。この 2 人の他に、3 人のスタッフも同乗していました。
最初に中学校を訪れました。職員室で校長先生と 2 人の先生に挨拶しました。
開校 2 年目ということでまだ規模は小さく、水道設備などもないそうです。
教室は 2 つ、1 年生と 2 年生がそれぞれ 2 クラスずつあるので時間差で授業を行っています。生徒数は私が訪れたクラスは 40 人ほどでした。政策により、インドネシアの特産であるバティック柄の制服を着ていました。生徒だけではなく先生も色違いの制服を着ています。
教室に入るとPLANインドネシアのコーディネーターが、PLANの活動内容や支援者について、また、私の来訪目的を生徒たちに説明してくれました。私も英語で自己紹介しました。
この日は英語の授業予定はなかったにも関わらず、私のリクエストにより開講してもらえました。授業の中では、「procedure text」というものは何かということを、アボガドジュースを作る、というシナリオをその場で作って説明していました。身近なトピックを用いて子供たちに分かりやすく、発話・コミュニケーションを重視した授業でした。
教科書を持っている子は少なかったのですが、辞書はクラスの半分ほどが持っていました。写真は、辞書を見せてもらっているところです。その風景を撮影されていることに気づいたので、もう辞書は見たのにそのままの状態で停止しています(笑)。ちなみに調べたのは「aim」の意味です。英語の先生は 20 代の女性で、近くの都市から通勤しているようです。


次に、就学前児童の教育センターを訪れました。2 歳から 5 歳の子供たちが週に 3 回ここへ通い、遊んだり学んだりします。屋根付きの広い建物が 2 棟あり、そのうち 1 つはオフィスと倉庫がついています。
写真は、手洗いを習慣づけさせるためのツールです。棒に水の入ったタンクと石鹸が吊り下げられています。子供たちが手の洗い方を簡単に覚えられるように手を洗う順序が歌になっていました。
タンクには紐がつけられその下に板があり、その板を足で踏むことでタンクが傾いて水がこぼれる仕組みになっています。訪問時にはその部分は壊れていたので急遽修理してくれました。またタンクの中の水は温かく、藻がはっていたので、おしいなと思いました。しかし手洗いを教えるだけでもすばらしい取り組みだと思います。
Q. タンクの水はどんな水を使用しているのですか?
A. このセンター内には井戸も水道設備も見当たりませんでした。清潔な水を常にここに入れることは難しいと思います。
壁には出席表が貼られていました。出席したときのマークは、子供たち自作のシールです。シールは、「果物」「太陽」「鉢植え」「手(?)」「歯ブラシ」「葉」「魚」「赤ちゃん」「芋(?)」など子供たちの身近なものがモチーフになっていました。
10 回出席した子はプログラムを終えます。4,5 回しか来ていない子は、まだ通わなければいけません。
倉庫にはたくさんのおもちゃが保管されていました。積み木やドールハウス、輪投げなどがありました。
足し算の勉強をした形跡も見られました。トロフィーは、このエリアの詩の朗読大会で3位に入賞した子がいたようです。
この事務所に掲示されていた計画表を翻訳しました。最初に地域の人々を登録、健康や生活状況を把握し、ニーズを探っていくという流れがよく分かります。

続いて、貯水槽を見学しました。2m×2m×2m ほどのコンクリート製の貯水槽があり、水は山の源泉から水道管を通ってこの中に貯まります。この貯水槽の下にある約 400 軒の家へ水が供給できるようです。
水は、先ほどの手洗いの水とは違い、澄んでいて冷たそうでした。この貯水槽の蓋は作らないのかと尋ねたところ、蓋が壊れたままになっている(写真奥)のを PLAN のスタッフが見つけ、修繕するように現地作業者に指示していました。
この集落はたまたま近くに源泉があり、PLAN の協力を得て水道管と貯水槽を作ることができました。
しかし源泉のない集落は、遠くから水を引くための費用、また別の集落から水を引いてくる場合は、その集落から水を買うということになりますので、水の確保もなかなか難しいようです。
この貯水槽は、すでに完成しているにも関わらず、1m ほど拡張工事をしていました。なぜ最初からそのサイズで作らなかったのか疑問が残ります(笑)


小学校へ移動し、チャイルドの教室へ入りました。全員が、私が誰で誰の支援者であるか知っていました。久しぶりに会ったとき、チャイルドはシャイでほとんど話そうとしませんでしたが、コーディネーターが言うには、私の訪問を知った後、そのことをクラス中に話したそうです。それほど訪問を楽しみにしてくれていたのだと嬉しく思いました。写真は「前回会ったときはこんなに小さかったよね」と話しています。

芸術の授業中に訪れた私を、児童たちは歌で歓迎してくれました。チャイルドとその親友もダンスを披露してくれました。私はここでも自己紹介をした後、クラスの子たちにお土産を配りました。教室が暗くなったな、と思ったら、窓や入口にびっしりと他のクラスの子たちが張り付いて中を覗いていました。その前でこのクラスの子たちだけにお土産を配るのは心苦しかったです。できることならこの小学校の児童 160 人全員にお土産を持って行きたかったです。
校庭に、前回はなかった建物を見つけたので急遽見せてもらうと図書室でした。本は、テキストのようなものが多く、子供向けの絵本などはありませんでした。貸し出しはしていないようで、読みたい子供はこの場で読まなければなりません。ただ、椅子などはなく、蜂の巣もあるようで実際にはあまり活用されていない様子でした。
授業の途中でしたが、チャイルドだけ帰宅が許され、一緒に彼女の家まで歩きました。学校から家までは本当に近く、5 分もかかりません。
チャイルドの家の前には、テーブルが設置され、シートで日差しが遮られていました。
ここでチャイルドの家族に会い、挨拶を交わします。伝統的なケーキ(はんぺんのようなもの)とヤシの実ジュースが振る舞われ、ランチが出来上がるのを待ちます。
訪問中、常にたくさんの人に見られていますので、お土産を渡すタイミングも気を使いました。チャイルドには LEGO を持って行ったので、まずはそれだけを渡して一緒に遊び、周りの人たちが減ってから家族にもお土産を渡しました。
ランチの時間になり、焼き魚、チキンスープ、ご飯をインドネシアの調味料「サンバル」で頂きます。どれもとてもおいしく、同行した PLAN のスタッフたちはおかわりしていました(笑)。肉や魚はこういうときにしか出されない豪華な食べ物だと思います。訪問した人数よりも多めに作られていたので、この後、コミュニティで協力してくれた人たちも食べるのだと思います。
今回、チャイルドの家の中を見せてもらえました。
入口に敷居はあるものの、中に入っても外と同じ土の床で、竹を板のように組んだもので仕切りをして両親の寝室、姉妹の寝室、兄弟の寝室を分けていました。家を 1m ほど増築してキッチンがあり、テーブルのようにした台に食器類が置かれていましたが、ガスコンロや水道は見当たりません。コンセントを見つけたので電気が来ているのか尋ねたところ、「時々」との答えでした。
キッチンから家の向こう側に出ると、お墓があり、東屋があり、たき火の跡がありました。東屋には食材の残りや調理の跡が見られ、女性たちがたくさんいました。この集落の女性たちが協力して私たちのためのランチを作ってくれたようです。このように自分の知らないところで訪問に協力してくれている人はとても多く、協力してくれたのに紹介さえされないことがほとんどです。勇気を出して家に入れてもらってよかったと思いました。
ランチの後はポラロイドカメラで撮影会をしました。近くにいる子なら誰でも一緒に撮って、フィルムをそのまま渡すことができます。
コミュニティから去る前に、PLAN のスタッフはチャイルドにサインをもらっていました。ここで撮った映像や写真がホームページなどに使われますので同意書のようなものだと思います。両親の前で声に出して読み上げ、チャイルド自身に署名させていました。
Q. チャイルドとはどんな話をしましたか?
A. 私はインドネシア語を少しだけ話せますので、普段は何を食べているのかを聞きました。チャイルドは「米。」と答えました。また、あひるの LEGO を作る時に、「ここは頭。」「難しいね。」とか、一緒に写真を撮ろうよ、など本当に単語だけの会話でした。
ただ前回は、チャイルドは恥ずかしがって隠れていたりして、一緒の写真も 1 枚だけしか撮れませんでしたが、今回は何も話さない時でもずっと隣にいてくれました。
チャイルドの家に 2 時間弱滞在した後、この集落が利用する井戸を見に行きました。

この井戸は、前回の滞在でも訪れたのですが、その時は細いロープでバケツを引き上げなければなりませんでした。現在は水を汲み上げるためのポンプと覆いが取り付けられています。この井戸の水は洗濯や沐浴に利用され、飲料には適さないということです。洗濯のための場所が広く取られていて便利そうです。この井戸の近くには、トイレが設置されていました(写真左奥)。下水設備もないので地下水への影響が心配です。
またこの井戸より少し高い位置に新しい井戸があり、そちらは飲料水用の井戸だと言っていましたが、地下水源は同じではないのかと疑問に思いました。
Q. 衛生状態が悪そうですが、伝染病などは大丈夫なのですか?
A. 飲料に適さない水を飲んでお腹を壊すことはあると思いますが現地の環境で生活していれば多少のことは慣れているのではと思います。またチャイルドは 1 度マラリアに感染しましたが完治しています。
続いて、動物飼育による生活向上プログラムを見に行きました。チャイルドと手紙でやり取りする際に、インドネシア語から現地語へ翻訳したり代筆してくれたりするボランティアの方が、このプログラムに参加していました。初めに母ヤギを育て、子供を産んだら次の人にヤギをあげるそうです。ヤギは 1 日 3 食、大量に葉っぱを食べるので準備が大変そうです。

移動中、ビーチを見つけ少し遊びました。
次の訪問地である子供センターとの時間調整のためのようです。
写真に写っているのは撮影班の人たちです。実は私の訪問の様子は、PLAN インドネシアのスタッフによって常に撮影されていました。
いろいろな訪問地へ到着するとまず撮影班が先に車から降りて、私が車から降りるところから撮影します。
この時間で撮影班とも仲良くなり、帰国後も発表用の写真を提供してもらったりして交流を続けています。
撮影と言えば、同行者たちはスマホを持っていますし、現地の人もときどきデジカメや携帯電話を持っていて一緒に写真を撮ってほしいと頼まれます。また頼まれなくても勝手にどんどん写真を撮られます(笑)。PLAN では華美にならない服装で、というガイドラインがありますが、必要以上に現地化することはなく、女性なら最低限メイクをするとか、その写真がソーシャルメディアなどにアップされても大丈夫な状態で行く方が良いかと思います。暑いのでボーっとしたり疲れた顔をしているときに写真を撮られるとショックです(笑)。常に撮影用の笑顔でいましたので顔の筋肉が痛くなりました(笑)

幼児教育センターです。
多くの子供たちが集まって、先生の話を聞いています。到着するとまた、子供たちの前で紹介され、私も自己紹介をしました。その後センター長から挨拶がありました。
「私たちはあなたから多大な支援を受けています。あなたの訪問をとても歓迎しています。でも私たちはあなたにあげられるものがありません。せめて歌と踊りで私たちの気持ちを表明したいと思います。」
子供たちはいくつかのグループに分かれ、それぞれ歌や踊りを披露してくれました。詩を詠む子もいました。一人で歌う子もいました。フラフープを見せてくれる子もいました。1 時間以上、ここで発表を見ました。日が傾き、屋根と壁の間から直射日光が射してとても暑く、コー
ディネーターは途中で帰っても良いと言ってくれましたが、全部見るべきだと思いましたので意地でも(笑)最後まで残りました。発表が終わり、校長先生の話になると子供たちは退屈してどんどん人数が減っていました。でも最後には全員で集合写真を撮りました。
1 人の子供から握手を求められましたのでそれに応えると、全員が手を差し出してきます。私は一人一人の目を見て「テリマカシ(ありがとう)」を言いました。インドネシアでは、握手した手を胸に当てる挨拶が一般的なのですが、子供たちは握手した私の手をそのまま自分のおでこにくっつけます。後から聞いた話によるとそれは「あなたを尊敬しています」との意味だそうです。
この後、ホテルに戻り、ゲストブックに感想などを書きました。
私たちは現地に対して物理的に支援、例えば井戸や学校を作ったり、プロジェクトを考えて一緒に進めたりしているわけではありません。日本で普通の生活をして毎日を当たり前に過ごしながら、ただクレジットカードから寄付金が支払われている。募金箱に現金を入れているわけでもないので実感もなく、時々見る請求書上の数字でしかありません。でも現地へ行って、私たちが支払うお金が PLANを通していろいろな設備やプロジェクトに活用され、活動地域の人たちからこんなに感謝されていたことでやっとそれを実感しました。どこへ行っても歓迎され、もてなされ、チャイルドの家庭だけではなくコミュニティをあげて訪問の受け入れ体制が整えられていました。PLAN のスタッフも地元ボランティアの協力を得て地域全体を巻き込んで活動できているようです。年に 1 度送られてくるエリアアップデートに掲載されている情報は本当に抜粋されたものだけで、実際には現地ではもっと多くの活動が進められています。
またコミュニティにとっても、支援者の訪問はとても良い刺激になると思います。「なんか団体が来ていろいろやっているけど何なのか。」くらいの印象が、実際に外国人が訪れることによって、自分たちの生活はPLANという国際的な団体を通して今後よくなっていくんだという希望にもなると思いますし、単純に一大イベントのように楽しんでくれてもいいと思います。子供たちにとっても子供時代に外国人を見たり、その人が別の言語で話しているのを聞いたりすることは、視野を広げる上でとてもよいきっかけになることでしょう。
実際にコミュニティで活動している方にとっては、支援者の訪問は上司が見に来る感覚かもしれません。今回、手洗いのツールや貯水槽の蓋が壊れたままだったことを指摘できました。支援者が来るということは PLAN インドネシアのスタッフも来るということです。せっかく作ったものが使える状態で維持されているかどうかのチェックにもなります。
支援者の方にはできることならぜひ現地を訪れてみてほしいです。私たちは支援者であり支援する側の立場でいます。でも彼らから、もっと大きな目には見えないものが戻ってきているのだと知ることになるでしょう。それこそが支援の醍醐味だと思います。